2016.8.10 (水曜日)

スマートフォンのメニューボタンの適切な大きさって?―タップサイズについて考える。

iPhone-6-Mockup

きっかけ

ある日、クライアントさんとスマートフォンのデザインについてやりとりをしていました。

問題はメニューをどのように表示するか。

やりとりは、以下のイラストをご覧ください。

ファイル_000

(読みづらい字ですみません…)

①は、縦幅がなくなり、②はロゴが増える分、一つのメニューの大きさが小さくなってしまいますよね。

そこで、私はとっさに

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「両方ともひとつのメニューに対する面積が小さくなることにより、ボタンを押しづらくなるのではないか?」

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という不安に駆られました。

ですが、この「面積が小さい」とは個人の感覚に依拠する理由であり、クライアントさんに説明するのには用意周到ではありません。

そこで新米ディレクターである私は、調べることにしたのです。

「スマートフォンでの適切なメニューボタンの大きさってどれくらい?」

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調べてみた。

調べてみたところ、すぐに出てきました。

IOS も android もタップサイズの基準を設けています。

まず、IOSについてはタッチ可能な領域のサイズは7mmまでを推奨しています。

androidでも、ユーザーが指で正確にタッチすることができるサイズは7〜10mmとしています。

IOS同様、最小タップサイズは7mmということにしています。

Microsoftでは、実際に検証しており、


7mmでのタップ操作→100回に1回のミス

9mmでのタップ操作→200回に1回のミス

5mmでのタップ操作→30回に1回のミス


という結果が出ています。

この結果を受けて、Microsoftではタップサイズが7mmであればほぼ問題なし、慎重な操作が必要なボタンについては9mmを推奨しています。また、ボタンとボタンの間は2mm以上を推奨しています。

※ここでのサイズはあくまでも液晶画面での実サイズになります。

参考:DOTPROOFINC.



まとめ

以上のような理由を踏まえると、①はやはりボタンの押しづらいデザインとなります。

また、②の案だと、6つのメニューにしたとしても、デバイスの幅によっては、1つメニュー幅が7mmを下回る可能性があるため、

メニューの数は5つを保持、ロゴを入れる代わりに例えば「アクセス」をフッターに位置させる等という打開案を提示する必要があります。

ファイル_000

ディレクターは、クライアントさんの意見に耳を傾けつつ、ユーザーとしての感覚も常に意識していかなければなりません。

また、その感覚は、決して主観的なものではなく、客観的なものでなければなりません。

今回は、そのことを痛感したやりとりでした。